就職氷河期世代支援プログラムとは何か?
こんにちは、おしごと雑伎団です。
このブログは、就職、転職、サイドビジネスからスキルアップ。余暇、ライフ・ワーク・バランス。企業の人材採用の周辺などなど、仕事に関わる情報を発信し、人生を「豊かに」、そして「たくましく」生き抜くためのライフハックブログです。
何かと話題の就職氷河期世代支援プログラム。
今回は内閣府から発表されている資料をもとに、就職氷河期世代支援プログラムについてお伝えします。
本記事の内容
就職氷河期世代とは?
まず、はじめに就職氷河期世代とは、どのような世代なのでしょうか?
就職氷河期と就職氷河期世代
就職氷河期は、雑誌「就職ジャーナル」から生まれた造語で、1994年の第11回「新語・流行語大賞」の審査員特選造語賞を受賞しています。就職氷河期は、金融不安やバブルの崩壊が重なった、1990年代半ばからの10年ほどを指し、この時期に社会に出たり、2000年前後に大学を卒業した、いま(2019年)現在40歳前後の世代を就職氷河期世代と呼びます。下記で説明する就職氷河期世代支援プログラムでは、現在「30代半ばから40代半ば」を就職氷河期世代の中心層と呼んでいます。
就職氷河期世代の現状
「労働力基本調査集計」(2018年総務省統計局)による就職氷河期世代の中心層と言われる35〜45歳の雇用形態の内訳は、下記の通りとなっています。
この内、*1不本意非正規労働者(正社員就職を希望しながらも「正社員等の仕事がないから」という理由で非正社員として働いている者)50万人と、*2無業者(非労働力人口の内、家事も通学もしていない者)40万人の合計を根拠に、政府は、就職氷河期世代支援プログラムの各種支援が必要な対象者を100万人程度いると見込んでいます。
なぜ就職氷河期世代の支援が必要なのか?
では、なぜ就職氷河期世代の支援が必要なのでしょうか?
ここでは、これまで論じられてきた視点を紹介します。
他世代と就職氷河期世代の格差是正
1つは、就職氷河期世代の不遇な就職環境に対する支援がこれまでなかったことです。
就職氷河期世代は過酷な就職活動を強いられ、景気悪化で企業に余裕がなかったため、高学歴でも安定した職につくことができず、非正規雇用(アルバイトやフリーター)にならざるを得なかった世代です。
また、当時「新卒採用」での就職は狭き門でしたが、正社員で入社できた人でも、希望した業界や職種ではなかったり、その後のリーマンショックで、倒産やリストラにあった人も多く、その影響がいまでも影を落としていると言われています。
更に、氷河期世代と、好景気で大量採用時代のバブル期に入社したバブル世代とでは、給与形態や昇進のペースに大幅な差が生まれていると指摘する声もあります。特にバブル世代とは、たった数年の違いが大きな差を生んでしまっており、不公平感は否めないでしょう。
財政問題
なんと言っても今回の支援策の打ち出しは、国の財政問題が本丸でしょう。
氷河期世代に限らないのですが、非正規雇用者は収入が少なく、このままだと、自力で老後の生活資金を蓄えることも出来ぬまま、生活保護に頼らざるを得なくなる人が増えることが予想されます。
下記記事は、2018年4月のダイヤモンド・オンラインの記事です。
「このまま何も手を打たなければ、30年後には独身・低収入の高齢者であふれ返る。日本の財政は年金ではなく、生活保護で破綻する」と、主張しています。
氷河期世代没落で生活保護費30兆円増、衝撃の未来図
「このまま何も手を打たなければ、30年後には独身・低収入の高齢者であふれ返る。日本の財政は年金ではなく、生活保護で破綻する」こう警鐘を鳴らすのは山田昌弘・中央大学教授だ。
それでは、次に就職氷河期支援プログラムの内容を具体的に見ていきましょう。
就職氷河期世代支援プログラムとは?
この就職氷河期世代支援プログラムは内閣府を中心に纏められましたが、内閣府のホームページを見てもわかるように、経済財政政策の内、産業・雇用対策として2019年5月に発表されました。
就職氷河期世代支援プログラム発表までの動き
2019年5月16日に「就職氷河期世代への支援に関する関係省庁連絡会議」が開催され、直後の5月29日に2回目の関係省庁会議が開催され「就職氷河期支援プログラム(案)」について合意。2019年度の経済財政運営と改革の基本方針(いわゆる骨太方針)にて、閣議決定し、その中に就職氷河期世代支援プログラムの本文が記載されています。
5/16 | 就職氷河期世代への支援に関する関係省庁連絡会議:支援プログラムの検討の方向性、登録施策及び要望事項等について、出席者による意見交換 |
5/29 | 就職氷河期世代への支援に関する関係省庁連絡会議:内閣府から、就職氷河期支援プログラム(案)、地域ごとの対象者の把握と数値目標の考え方、社会参加支援対象者の段階的支援の横展開等について説明し、出席者による意見交換を行い、就職氷河期世代支援プログラム(案)について合意 |
6/21 | 「経済財政運営と改革の基本方針2019~『令和』新時代:『Society 5.0』への挑戦~」(骨太方針2019)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定。その中に就職氷河期世代支援プログラム本文が記載 |
就職氷河期世代プログラムの概要
基本認識
いわゆる就職氷河期世代は、現在、30代半ばから40代半ばに至っているが、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代であり、その中には、 希望する就職ができず、現在も、不本意ながら不安定な仕事に就いている、無業の状態にあるなど、様々な課題に直面している者がいる。
施策の方向性
相談、教育訓練から就職まで切れ目のない支援
○きめ細かな伴走支援型の就職相談体制の確立
・できるだけ多くの支援対象者が相談窓口を利用する流れづくり
・ハローワークに専門窓口を設置し、専門担当者のチーム制による
きめ細かな伴走型支援
○受けやすく、即効性のあるリカレント教育の確立
・仕事や子育て等を続けながら受講でき、正規雇用化に有効な資格取得等に資する
プログラム、短期間での資格取得と職場実習等を組み合わせた
「出口一体型のプログラム、人手不足業種等の企業や地域のニーズを踏まえた
実践的な人材育成プログラム等の整備
○採用企業側の受入機会の増加につながる環境整備
・採用選考を兼ねた「社会人インターンシップ」の推進
・各種助成金の直し等による企業のインセンティブ強化
・採用企業や活躍する個人の好事例の横展開
民間ノウハウの活用
・全段階について、専門ノウハウを有する民間事業者に対する
成果連動型の業務委託
・ハローワーク等による取組と車の両輪で、必要な財源を確保し加速
個々人の状況に合わせた、より丁寧な寄り添い支援
○アウトリーチの展開
・潜在的な支援対象者に丁寧に働きかけ、支援情報を本人・家族の手元に届け、
本人・家族の状況に合わせた継続的な伴走支援
・地域若者サポートステーションや生活困窮者相談支援機関の
アウトリーチ機能の強化、関係機関の連携促進
○支援の輪の拡大
・断らない相談支援など複合課題に対応できる包括支援や多様な地域活動の促進、
ひきこもり経験者の参画やNPOの活用を通じて、当事者に寄り添った支援
※以上の施策に併せて、
・地方への人の流れをつくり、地方における雇用機会の創出を促す施策の
積極的活用促進
・官民協働スキームとして関係者で構成するプラットフォームを
形成・活用し、就職氷河期世代等の支援に社会全体で取り組む機運を醸成、
一人ひとりにつながる戦略的な広報展開
・被用者保険(年金・医療)の適用拡大
詳細は「経済財政運営と改革の基本方針2019~『令和』新時代:『Society 5.0』への挑戦~」(骨太方針2019)に記載された就職氷河期支援プログラム本文をご覧ください。
▲「経済財政運営と改革の基本方針2019~『令和』新時代:『Society 5.0』への挑戦~」概要
↓ポチってしてくれたら、とっても嬉しい♪ (*≧∀≦*)
にほんブログ村
人気記事おしごと雑伎団とは