日本人が答えた「働く目的はなんですか?」〜令和元年度「国民生活に関する世論調査」から
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皆さんは「働く目的はなんですか?」と聞かれたらどう答えるでしょう。
もちろん働く目的は人それぞれで、正解などありません。
人それぞれ価値観が違うから答えなど無いのは当然なのですが、一方で、その人の価値観が現れるからこそ、企業の採用面接の場面や人事面談等において、「何のために働くのか?」という質問をされることがあります。
では、実際問題、私たちは「働く目的」を、面接対策や人事考課の対策ベースではなく、本音として、どう考えているのでしょうか?
実は毎年、内閣府が1万人*の日本国民を対象に対面調査で、この「働く目的は何か」を調査しているのです。
(*)令和元年度調査の有効回収数(率) 5,492人(54.9%)
今回は、令和元年6月に実施された「国民生活に関する世論調査」から、私たち日本国民の働く目的について、結果をご紹介をいたします。
令和元年(2019年)国民生活に関する世論調査にみる「働く目的は何か」
国民生活に関する世論調査とは何か
はじめに、国民生活に関する世論調査についておさえておきましょう。
この世論調査は「現在の生活や今後の生活についての意識、家族・家庭についての意識など、国民の生活に関する意識や要望を種々の観点でとらえ、広く行政一般の基礎資料とする」という目的で、毎年実施されています。
今回の記事の出典はこの「国民生活に関する世論調査」(内閣府)からご紹介します
それでは、令和に入って初の調査結果から、私たちの働く目的の本音を探ってみましょう。
働く目的は何か
「働く目的は何か」という質問に対しての回答は以下の通りです。
- 「お金を得るために働く」 56.4%
- 「生きがいをみつけるために働く」 17.0%
- 「社会の一員として務めを果たすために働く」 14.5%
- 「自分の才能や能力を発揮するために働く」 7.9%
圧倒的に「お金を得るために働く」という結果です。
更に、前回の調査結果(平成30年度)と比較しても「お金を得るために働く」と答えた者の割合が上昇(53.9%→56.4%)し、「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合が低下(18.6%→17.0%)しています。
「働く目的」男性、女性で差はあるのか?
結論は、性別で分けて見ても「お金を得るために働く」は、他の項目を大きく引き離してトップという結果です。
男性、女性で差が見られたのは
「社会の一員として、務めを果たすために働く」と答えた者の割合は男性が高く、「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合は女性が高いという点です。
「働く目的」を明確にしておくことが重要
「国民生活に関する世論調査」(内閣府)による、私たち日本人の「働く目的」は、「お金を得るために働く」が、圧倒的にトップでした。
「ああ、やっぱりな」と思った方も多いことでしょう。収入を得るために働くことは当然です。
でも、ここで思考停止をしてはいけません。
企業経営者が考えなければならないこと
この世論調査の結果から、企業経営者が考えなければならないことは、従業員に「働きがい」や「生きがい」、仕事に対する使命感を求めても、半数以上の従業員は、満足いく収入を求めているという現実を直視しなければなりません。
あるNPO法人の理事長が言っていました。
「使命感にあふれた優秀な職員が30歳手前で、皆辞めていくんだ。仕事は好きだが、この賃金では結婚して子どもを育てることが出来ないと言って…」
では、働いている私たちはどうでしょうか?
それでも、働く目的を明確化させておくことが重要
「お金を得るために働く」ことは、世論調査の結果の通り大切なことです。
それでも、そこで、思考停止をするのではなく、働く目的を明確にしておくことは重要です。
もし、お金だけが目的なら、より収入の高い仕事を、機械的に選ぶだけで良いはずなのに、なぜ私たちは「自分に合った仕事」を求めたり、やりたいと思う「仕事を選ぶ」のでしょうか? また、もう一生使いきれないほどの大金を手にした人(例えば、世界一の大富豪と言われる元マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏など)は、どうして遊んで暮さず、仕事を続けているのでしょうか?
働くことの目的を考える時、上記のことは、考えるヒントになるはずです。
まとめ
働く目的は人それぞれ異なっていますが、どのような目的で働くにせよ、自分の「働く目的」は明確にしておくことが重要です。
特にこれから社会に出る新卒者の皆さんに伝えたいことですが、社会に出て仕事をしていくと、必ず大きな困難に遭遇します(大きな困難に遭遇しない人は、大きな仕事をしていないと言っても過言ではありません。なぜなら何もしなければ、何も起こらないのですから…)。
脅かすわけでもなく、仕事をしていると、心が折れそうになることが多々あります。
そんなとき、自分の働く目的が明確であれば、その目的のために努力をして乗り越えることができることでしょう。
また、自分の進もうとしていた方向が、働く目的に反した方向だと気づき、方向転換をするきっかけになるかもしれません。
いずれにせよ、人間が困難を乗り越えていく上で、明確な目的を持つことは大きな糧になり、チカラとなります。
この記事をきっかけに、自分の働く目的は何か?を考えるきっかけになれば幸いです。
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