nn ビジネスの前に「マナー」について考える

ビジネスの前に「マナー」について考える

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こんにちは、おしごと雑伎団です。
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こんにちは!おしごと雑伎団 団長 紅紫 藍です!
先日、田端大学塾長である田端信太郎さんのtweetを引用RTしました。

  

上記tweetから田端さんの公式noteを読んでいただきたいのですが、素晴らしい内容です。そして、田端さんほどのビジネスに精通されている方が『ビジネスうんぬん以前に、人間同士相手に対して最低限のマナーやリスペクトは、つねに持っておくべきです。』という言葉に、とても感銘を受けました。
そこで今回は、ビジネスの前に「マナー」について考えるをテーマにして、今さらながら「マナー」について考えてみたいと思います。

本記事の内容

マナーとは何でしょう?

https://zatsugidan.com/wp-content/uploads/2020/02/Hatena.jpg

ここで唐突ですが質問です。
あなたは、あなたの部下や後輩に「マナー」を教えていますか?

上司A「マナーは常識でしょ。今さら教える必要なんてない。」

常識という割にはマナーに関する問題が多いような気がします。

上司B「ビジネスマナーなら、新入社員研修に参加させているから、教えたことがない。」

マナーとビジネスマナーは同じなのでしょうか?

上司C「そもそもマナーは身に付いているでしょ。」

だとしたら、ビジネスマナーもお金をかけて、教える必要は無いような気がします

小学生からマナーは何かと聞かれたら?

質問を変えますね。
小学生からマナーってなんですか?と聞かれたら、あなたはどう答えるでしょうか?
すぐに言えましたか?
試しに同僚や知人にマナーの定義を尋ねてみてください。
人それぞれ微妙に言い回しが違うことが分かります。

マナーとは何か?

https://zatsugidan.com/wp-content/uploads/2019/11/helloquence-OQMZwNd3ThU-unsplash.jpg

マナーの語源

はじめに、マナー(manner)の語源をおさえておきましょう。

英語で manner というと「方法・仕方・態度」
manners と複数形になると「行儀・作法」の意味になります。

その語源はラテン語の munus (手)と言われているのですが、今日のような意味となった背景には英語の manor(マナ=荘園)と深い関係があると言われているます。
イギリスには「マナハウス=荘園領主の館」と呼ばれるものがあり、地域の中心的な場所に位置する集会所のような役割を果たしていた
そうです。それを建てたのはその地域の地主gentryでこれがgentleman=紳士の語源です。
地域の中心にあったマナハウスで、ジェントルマンによって示された博愛精神が、マナーの手本とされるようになったそうです。

あらためて、日本語の「マナー」を辞書で調べてみましょう。
『行儀。作法。礼儀。(三省堂 大辞林 第三版 以下 大辞林と表記 )』とあります。
念のため、困った時に頼りなる「wikipedia」先生を調べてみると

『マナー(英語: manners)とは、行儀・作法のことを指す。』と書いてあります。

大辞林の「行儀。作法。礼儀」とWikipedia先生の「行儀・作法」。どうやら「行儀」や「作法」が私たちのマナーの定義ではないかと思われます。

ここで、断定しきれないのは、先ほどのwikipedia先生による「マナー」を確認して欲しいのですが
「この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。」
「この記事の内容の信頼性について検証が求められています。」
ページの最後には「この項目は、文化に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています。」とまで記載してあります。

「マナー」は常識過ぎて、wikipedia先生に執筆する方はいないのだろうか?
はたまた「マナー」を真剣に考える人や研究者はいないのでは?
いやいや、そんなはずはない。何か理由があるのでは?などと勘ぐってしまいますが、ここは、気を取り直して、大辞林の「行儀。作法。礼儀」とWikipediaの「行儀・作法」。の中から、共通の単語に着目して、調べを進めることにします。

「行儀」を大辞林で調べてみた

① 作法にかなうかどうかという点から見た立ち居振る舞い。 「 -が悪い」 「 -良くしていなさい」 「 -を知らない」
② おこない。しわざ。したこと。 「見限りはてた旦那殿、悉皆盗人の-か/浄瑠璃・大経師 上」
③ 〘仏〙 法会や修法の定められた方式。 「聖(ひじり)が-を見給へば/平家 10」 〔「行儀」が作法にかなうか否かという観点から見た動作・態度をいうのに対して、類義の語の「礼儀」は他人と交際するうえで人として踏み行うべき規則の意を表す〕

「行儀」とは『作法にかなうかどうかの点から見た立ち居振る舞い。』と書いてあります。

(個人的には「立ち居振る舞い」と「立ち振る舞い」の違いも気になるところですが、調べ始めると今回のテーマに帰って来れなくなりそうなので、元小学館辞典編集部編集長の神永曉さんが書かれている日本語、どうでしょう?をご覧になってみてください。)

では、話を戻して「作法」とは何でしょう。

「作法」を大辞林で調べてみた

① 礼にかなった立ち居振る舞いのしかた。 「行儀-」 「 -正しく、手を支(つ)いたが/婦系図 鏡花」
② 物事を行う方法。やり方。 「文章-」
③ しきたり。慣習。 「そのほどの-、れいのごとなれば/蜻蛉 中」

作法は『礼にかなった立ち居振る舞いのしかた』『物事を行う方法。やり方。』『しきたり。慣習。』と書いてあります。
行儀も作法も『作法にかなう』『礼にかなう』と有りますが、どうやらマナーポイントの一つ目は「立ち居振る舞い」。つまり、「行動」や「態度で示す」ことがマナーのポイントになりそうだと分ります。

「礼」という言葉が出て来ました。「礼」についても念のため、調べておかなければなりません。

「礼」を大辞林で調べてみた

① [1] 社会生活をする上で、円滑な人間関係や秩序を維持するために必要な倫理的規範の総称で、人として従うべき行動様式全般を包括する。祭祀(さいし)儀礼、葬喪儀礼、出処進退の作法、制度、文物などで、儒教では経書(けいしよ)の「周礼(しゆらい)」「儀礼(ぎらい)」「礼記(らいき)」に規定があり、倫理的規範として最も重視した。 「 -をわきまえる」 「 -にかなう」 「 -を尽くす」
② [1] 頭を下げて敬意を表す動作。お辞儀。 「起立、-、着席」 「うやうやしく-をする」
③ [0] 〔しばしば「お礼」の形をとる〕 感謝の気持ちを表す言葉や金銭・贈り物。 「お-を言う」 「お-をする」

「礼」とは、『社会生活をする上で、円滑な人間関係や秩序を維持するために必要な倫理的規範の総称で、人として従うべき行動様式全般を包括する。』こと。
そして、大辞林のマナーにあった「礼儀」こそ、先に調べなければなりませんでしたね。

同じく大辞林で調べてみました。

① 社会の秩序を保ち、他人との交際を全うするために、人としてふみ行うべき作法。礼節。 「 -正しく挨拶する」 「 -作法」 → 礼
② 謝礼。 「 -いかほどいり候はんや/咄本・醒睡笑」 → 行儀(補説欄)

上記の通り「礼儀」は、『社会の秩序を保ち、他人との交際を全うするために、人としてふみ行うべき作法。礼節。』と書かれてあります。(礼節も調べてみたい気持ちは山々なのですが、既に寄り道をしているので、今回は我慢します)

マナー2つ目のポイントとして、この「礼」や「礼儀」の説明にも、あるように、自分以外の「他人」「社会」や「人間関係」「秩序」という視点が必要だということが分かります。

では、礼儀と作法からなる「礼儀作法」はどうなのでしょう?

礼儀+作法=礼儀作法とは?

ここで何と、予想外のことが…。

なんと!大辞林には「礼儀作法」が掲載されていないのです。
何故、大辞林に掲載されていないのか、調べたくてウズウズしますが、寄り道してばかりになってしまうので、コトバンクさんで調べてみました。

コトバンクは、朝日新聞社が主体となってとりまとめたインターネット百科事典です。

『人がその社会生活を円滑に営み、社会秩序を保つために用いる規範と実践の総体。
礼とは温かい真心の具体的な表出であり、礼儀とは他との関係においてそれを判断・評価・行為の基準とする原則である。礼儀に基づいて社会的に様式化された言語的・非言語的表現が作法である。これらをあわせた礼儀作法の語は、主として社会の秩序や人間関係を構築し維持する価値基準および行動様式の意味で用いられる。(コトバンク 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))』

『礼とは温かい真心の具体的な表出であり、礼儀とは他との関係においてそれを判断・評価・行為の基準とする原則である。礼儀に基づいて社会的に様式化された言語的・非言語的表現が作法である。』と書いてあります。

興味深いのは(ぼくだけかも知れませんが)、中断以降の記述です。

『1935年(昭和10)から1938年にかけての戦時体制移行期に国民礼法の構想のもと作法教育の強化が進められ、1940年に礼法要項が公布されたのち、1941年から1942年にかけて多くの礼法要項解説書が出版された。しかしそこに示されるのはやはり厳格な型の学習とその遂行であり、終戦とともに姿を消した。現在は道徳教育の内容の一つとして学習指導要領に「気持ちのよいあいさつ、言葉遣い、動作」「礼儀」といった文言が示されるにとどまる。このように、教育における礼儀作法の流れは、温かい真心を根底に置きつつ現実的で簡素なものを求めるという理念と、煩瑣な内容と型に固執する現実との乖離(かいり)を繰り返している。』(コトバンク 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))』

この文章だけで判断することは危険なことを承知の上で、勝手な推測ですが、「礼儀作法」が国語辞典に掲載されていない理由は、戦後、GHQの統治政策にも関わっているのではないか?と思ってしまします。
冒頭に質問をした「マナーって何ですか?」に対して、私たちが、同じ言葉で、表現出来ない理由の遠因かも知れません。(また、横道に外れてしまいました。)

更に記載されている内容を見てみましょう。

 『昭和40年代なかばに冠婚葬祭の語が礼儀作法と同義に用いられるようになったのは、同名のベストセラーの存在とあわせて、礼儀作法が特殊なときの特殊な営みだと広く誤認されていたことによるものであり、堅苦しい、無意味、わけのわからない、といった負の印象は礼儀のみならず作法までが不易であるという思い込みによるものである。これらの負の感情の払拭(ふっしょく)には、家庭教育、学校教育、企業などにおける礼儀作法、マナー、エチケットの指導者が、「いざというとき恥をかかないためのもの」とする誤認を正し、その本質である温かい真心の表出への留意が求められる。』(コトバンク 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))

礼儀作法、マナー、エチケットの指導者」に向けて踏み込んで、『誤認を正し、の本質である温かい真心の表出への留意が求められる。』とまで書いてあります。指導者でも誤った認識をしている可能性があることを示唆しています。
(でもどうして、マナーの意味の中に、礼儀作法が抜け落ちたのか。そして大辞林に礼儀作法が掲載されていないのか?マナーを巡るミステリーとしか思えません。)

念のため、我らがwikipedia先生で、礼儀作法を検索すると、なんと冒頭に紹介した「マナー」のページに「礼儀作法から転送」と記載され、文字通り「転送」されてしまいました。やはりミステリーだ。

礼儀作法の記述内容に興味のある方は、下記から全文を通して読んでみてください。

では、マナー を教えている方々は、どのようにマナーを定義しているのでしょう。

マナー:研修会社の定義

こちらは「マナーとは」で、ググって、検索TOPに表示されたマナー研修の株式会社confortさんのホームページを覗いてみました。

マナーに共通しているのは「ひとり」の空間では求められないことです。
自分以外の誰か(お客様・一般の人・友人など)と共通の空間を過ごすからこそ、意識の矢印が自分のほうばかり向いているとその場の空気が悪くなってしまいます。
マナーとは「お互いが心地よく過ごすための想いやりの気持ちと行動」なのです。

さすがは研修を生業にしている企業です。分かりやすく、先ほど述べた下記の2つのポイントが示した定義を使っています。

  • 「行動」や「態度で示す」こと
  • 自分以外の「他人」「社会」や「人間関係」「秩序」

株式会社confortさんのHPは下記からご覧ください。

小学生に「マナー」をどう教えるか

以前、小学校で6年生の総合学習の時間のプログラムを提供していたことがあります。
その時、担任の先生からこんな悩みを打ち明けられました。「学校では出来るのに、公共の場ではマナーを守れない」
そこで、その6年生達に「マナーって何?」と聞いてみました。

「礼儀」と答えた子もいましたが、多くの子ども達は、「規則」「ルール」であると答えました。
子ども達は、マナーを学校の規則、ルールだと思っていたのです。
それでは、学校で出来ても、公共の場で出来るはずがありません。

そこで、先生方と相談し、マナーの定義を子ども達が分かるように変えて、教えてあげることにしました。

子ども達に伝えたマナーの定義

子ども達に教えたマナーの定義は

「周囲の人たちに対する気遣いや心遣いを態度で表すこと」

「気遣い」が難しければ「気づいたこと」でいいよと伝えました。
そして、気づいていても、態度で表さなければマナーとは言えないと付け加えました。

後は簡単でした。

「友達が発表していることに気づいたら、どんな態度をする?」
「発表している友達を見る!」

「朝先生に会ったらどうする?」
「おはようございますと挨拶をする!」

「教室にゴミが落ちていることに気づいたら?」
「ゴミを拾う!」

つまり日頃、学校で指導されていることです。
そして、それは学校以外でも同じことだと気づかせてあげただけでした。

気遣い=気づいたことは、分かりました。
では、心遣いは態度で表せるか?

心遣いを態度で表す

子ども達に「心遣い」つまり心を態度で表すことは、下記の実験で体感させました。

これから「皆さん!」と言いますから「はい!」と返事をしてください。
実験①「皆さん!」「はい!」
実験②「次は今よりも大きな声で返事をしてください。皆さん!」「はい‼︎」
実験③「もう一度します。今度は3回もやらせるな!って感じで返事をしてみてください。皆さん」「は〜い」

実験③は、ほんとに嫌そうに返事をしてくれました(笑)
そして、この実験の解説です。

「皆さんは、大きな声の返事も、だらけた声の返事も、言われたらやったのでは無いのです。やろうと心で決めたから出来たんだよ。知らず、知らずのうちに、心は態度に表れます。だから心も態度で表すことができるんだよ」

このことは、小学生だけでなく、私たち大人も同じです。
知らず知らずのうちに、気持ち(感情)が態度に表れてしまいます。

まとめ

冒頭にご紹介した田端さんの『ビジネスうんぬん以前に、人間同士相手に対して最低限のマナーやリスペクトは、つねに持っておくべきです。』という言葉から、はじまったビジネスの前に「マナー」について考える
途中、脱線をしながらですが、最後までお付き合いをいただきありがとうございました。
まとめも田端さんの言葉で終わりたいと思います。
おっさんはメンツが8割/ロジックで勝てると思ってるやつは0点〜【これからの会社員の教科書から抜粋】

以前J ‒WAVEのビジネス系のラジオ番組に出演しました。1時間番組なのですが、その中のひとつのコーナーにベンチャー社長のプレゼンコンテストがありました。CMのあいだにベンチャー社長の方がスタジオに入ってきます。先にスタジオにいたぼくはパッと立ち上がって「よろしくお願いします」とあいさつをしました。
番組が再開するとMCの川田十夢さんはこう言いました。「田端さんが、しばしばSNSで炎上するけど、それでもビジネスの世界で生き残り続けている理由がわかりました。ちゃんと、人が部屋に入ってきたときに立ってあいさつするような礼儀正しい人なんですよ、みなさん!」と。
ぼくからしたら、後から人が入ってきたら立ってあいさつすることはあたりまえです。むしろ条件反射で体が動くレベルで染み付いた行動です。それが「いい悪い」とか「立場が上か下か」といったことは関係なく、人として当然のマナーだと思うのです。

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